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引退のご挨拶

平素よりお世話になっております。

逗葉ヨットクラブ67代主将の河野です。

 

3/13の引退式を持って67代が現役を引退いたしましたので、この場を借りて、ご報告いたします。

 

私たちの代は新型コロナウィルスにより、2~3年にかけて活動のできない時期も数度経験しました。ただ、例年より短い時間だったにも関わらず、引退した今、大きな達成感と余韻を感じられているのは、この3年間、特に幹部としての1年間、逗葉にとってのより良い方向を、私達なりに考え抜き、逗葉にもヨットにも全力で向き合うことができたからだと思っております。

コロナ禍のオンラインでの座学やOBさんを交えてのスキッパーミーティング、活動できる時期での自主練の数々、技量不足を感じた関東470選手権予選など、制約の多い中でも考えうる限りの活動をできた、と思います。

 

また、そんな充実したセーリングライフを送ることができたのは、OBOGの皆様方の存在あってのことだったと思っています。愛着の湧く素敵な船や、長い間使っているバース、予算の長期計画枠、先輩方や同期がしたためたマニュアルやレポートの数々。船の修理をしてくださるヨットサービスの方、逗葉さんなら、と助けてくださるヨット関係の方々、そして敬愛する先輩方…。

1人でヨットを始めることでは決して手に入れることのできない環境が、逗葉にはあって、私は、約70年もの年月の中で沢山の方に大切にされてきたこのクラブで、現役生活を全うできたことを心底誇りに思っています。そして、同時に、この逗葉を築き上げてくださった先輩方お一人お一人に、心から感謝を申し上げたいです。

 

とりわけ、今年度もチームマネジメントに関してサポートを続けてくださった荻野OB会長、セーラーの佇まいを背中で見せ、陸でも海でも懇切丁寧にご指導くださった山内監督、一人の人間としても、セーラーとしても未熟なわたしたちに、真摯な姿勢で向き合い、手を差し伸べてくださったOBOGの皆様方、本当にありがとうございました。

 

 

思えば、一瞬にも感じられた3年間でした。今もまだ、長期のオフに入っているような気持ちで、引退の実感が湧いていません。

大学に入学して間もない頃、友人と初めてヨットの体験に葉山に来ました。海上でのスポーツの爽快さに魅了され、あまり迷いもせず入部を決めたのをよく覚えています。

 

1年生の頃は、ひたすら可愛がってくださる先輩方の期待に応えようと、終始張り切って練習に取り組んでいたように思います。65代の先輩方や時々きてくださるOBの方々が、丁寧に根気よく、私たちにヨットのいろはを教えてくださいました。2年生の頃は、少しだけヨットや逗葉のことがわかってきて、生意気にも先輩にクラブ運営のことで異議を唱え、諌められるなんてこともしばしばありました。部運営に関しての案があれば自由に発言することができる雰囲気があり、それに加えてかなり伸び伸びとヨットを楽しむことができる環境があったのは、一つ上の66代の先輩方のおかげだと思っています。色の違う代があり、それでいいと思いますが、66,65代の先輩方の、周りを巻き込み3学年みんなでクラブを作ろうとする姿はとても素敵で、私の憧れでした。

 

3年生で幹部になると、責任感を絶えず感じていて、窮屈な時期もありました。特に主将として動き始めた頃は、練習スケジュールや安全面、チームメイトへの配慮に神経を尖らせていた記憶があります。でも、毎日逗葉の運営に悩んだ分、海上で安全なセーリングを達成し、葉山の夕日を見る日々は物凄く幸せでしたし、チームメイトの上達や、誰かがクラブのために動いている姿を見ると、嬉しさがひとしおでした。

入部時、66代主将に送った入部届の項目に「立派なセーラーになる」と目標を掲げていたのを、最近よく思い出します。「立派」って今思えば、すごく曖昧な言葉ですが、先日辞書を引いたら「完全と言っていいほど見事な様子。」と出てきました。となると、立派なセーラーになれたか、の答えは当たり前に否で、スキッパーとしての判断能力も、人をまとめる力も、ヘルムスマンとしての巧みな操船力も綿密な知識も、足りていない自覚がありましたし、現役を終えた今もそう思います。だからこそ、長くヨットを続けて少しでも上達したいと思えるのではないかなと思っています。

 

また、そうやって自分の未熟さを自覚するたびに、後輩や同期の逗葉への貢献に気づきました。なかなか思うように人数が集まらず、不安の種であった68代も、何度もコミュニケーションを試み、共に活動を重ねるうちに、いつしか逗葉になくてはならない存在になっていました。心優しい彼ら一人一人のちょっとした気遣いが、ひたむきな努力が、私を何度助けてくれたかわかりません。69代は、オンライン新歓だったにも関わらず、とても意欲的で責任感のあるメンバーが沢山集まりました。彼らのヨットへの意欲や姿勢が、自分のモチベーションであり、ヨットを純粋に楽しむ姿に、何度も奮い立たされました。

 

そして、私の力不足を一番近くで感じ、迷惑をかけてきた同期。「立派」から程遠い私が、自身の不足を感じながらも1年間の幹部代を終えて、無事に引退を迎えられているのは他でもなくそばにいてくれた同期の存在のおかげです。私は、先輩や後輩ばかりを見ていて、同期には淡白気味で、散々文句や注文を言ってきましたが、それでも、私の目指す方向を尊重し、動いてくれたことに感謝しています。私の同期が67代でなければ、こんなにも自分の主張を曲げずに、容赦なく衝突することはできなかったし、自分を曝け出してヨットに取り組むことはできなかったと、そう思っています。私一人では決してなし得ることのできなかった幹部1年間、そばで、私の足りない部分を補ってくれていた彼らに心からありがとうと言いたいです。

 

最後に、チームメイト誰一人として欠けることなく、安全に1年間のセーリングを終えられたことを思い、関わってくださったOBOGの皆様に、改めて、御礼申し上げます。

 

また、始発電車しかない遠方に住んでいた私に葉山での活動を許し、3年間応援してくれた両親や家族、いつも声をかけてくれる他大のセーラー、社会人にも関わらず時間を作って相談に乗ってくださった逗葉の先輩方、本当にありがとうございました。

次に、船の相談を快く聞いてくださったヨットサービスの方、出艇申告の際、毎日笑顔でいってらっしゃいと声をかけてくださる葉山港事務所のスタッフの皆さん、いつもバースで気さくに声をかけてくださるチーム逗葉の皆さん、レースや練習でいつも力になってくださるクルーザーの方々、facebookやメールで応援の声をかけてくださるOBさん、無知を馬鹿にせず、根気強く教えてくださった各ヨットショップのスタッフの方、本当にありがとうございました。

加えて、長いこと顧問をしてくださっている慶應の久保先生、コロナ禍でも活動ができるよう何度も電話をしてくださった慶應学生部、活動のために動いてくださり、ありがとうございました。

そして、二度目になりますが、チームマネジメントに関して声を掛け続けてくださった荻野OB会長、いつもご助言をくださりつつ、最後は私たちの方針を尊重し、鼓舞してくださる山内監督、本当にありがとうございました。

 

最後に、少しの恐怖を経験し、一方で物凄い爽快感と達成感を感じさせてくれた葉山の海と、風のある日もない日も一緒に闘ってくれた船にありがとうと伝えたいです。

 

とても長くなり申し訳ありません。

最後まで読んでくださった方、ありがとうございます。

 

さて、現役は4月の試乗会に向けて、特訓中です。

引き続き、現役のご支援をよろしくお願いいたします。

また、これから1年間、67代は、連盟の一員として、レース運営をさせていただきます。現役の技術向上には、逗葉単独でのレースからどうにか脱するための策を考える必要があると実感しています。現役に残した課題も沢山あるので、これまでOBの皆様がしてくださったように、私たちも現役の力になれるよう尽力してまいります。

これからも、ご指導ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

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